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知り合いの不動産会社のみを信用してしまった事例

事業を継続してくれる投資家を探して欲しい

※写真はイメージであって本稿とは無関係です

そこは首都圏の主要なターミナル駅近く、駅徒歩5分の場所にあるテナントオフィスビル。「不動産賃貸事業を次世代に引き継がせる予定は無いので売却したい」というご相談が始まりでした。

お会いして詳細を伺ったところ、売却に関する取り纏めはテナントとして入っているA社に決まっており、弊社に対しては「良い投資家の方を紹介して欲しい」のと「A社を全面的に信用しているわけでは無いので、おかしいところがあったら教えて欲しい」というご依頼でした。

ご依頼者の売却条件としては「キャピタル狙いの不動産会社には絶対売らない」ことと「親から継承したビル経営を長期に渡って継続してくれる方」を希望されておりました。

弊社は公正中立な立場から、複数社が取り扱うことが出来る「一般媒介」での売却をお奨めし、弊社で助言及び管理を行う「売却コンサルティング」をご案内しましたが、「仲介はA社に決めており、10年来の付き合いなのでA社を信用したい」とのことで、売却コンサルではなく、買い手を探すご依頼のみとなりました。

ご依頼者から紹介され、早速、指定の業者のA社と会うことになりました。今後の予定に関して協議したところ、弊社とB銀行とが価格意見書を提出し、これにA社の査定を加味した上で売却価格を決定する方針となりました。

またこれとは別に、弊社独自の価格レポートを依頼者にサービスで提供させていただきました。

動き出さない仲介業者A社

ご依頼者へ提出したレポートでは、A社が用意した不動産鑑定士の鑑定結果と同一データが意見書に反映されていること。これとは別に弊社の独自目線では更に2億円以上高い価格も狙えることをご依頼者に提言いたしました。

それから2ヶ月後、遅れていたB銀行の意見書が出され、弊社も含め3社の意見書が出揃いましたが、B銀行については、ペーパー1枚の根拠不肖の意見書のみが出され、以後、客付けからも姿を消すことになります。こうして当初ご依頼者へ提言した価格よりも2億円近く低い価格で売り出すことが決定されました。

弊社も「売却コンサル」についてはお断りされ、買い手の媒介のみを依頼されることになった以上、買い手にとって有利な条件である2億円以上の割安感がある本物件を、「良い投資家を探して欲しい」とのご依頼により、同じ県内の優良投資家にご紹介しました。当然ですが「是非、購入したいので、売主にその旨を働きかけて欲しい」との申出があり、売主仲介業者であるA社に、その件を伝えたところ「まだ、待ってくれと言っているだろう」と物凄い剣幕で連絡を断られてしまいました。

ひと月が経ち、ふた月が過ぎた頃に依頼者から連絡がありました。(弊社は通常の仲介業務として買い手の媒介に入るかたちとなったため、依頼者(売り手)とのコンタクトはA社を通じて行っておりましたが・・・)

「詳細は今は言えないが、関係先に売却する可能性が出てきたため、そちらを優先させたいので、買い手を探すことは暫く待って欲しい」とのこと。

仲介業者AはいつになってもGOサインを出さず、また、このA社、日付の入らない専任媒介書面を所持することにより、依頼者には1社専任の意識を持たせつつ、効力が生じないように日付を記載しないという準備周到なやり方です。「検討したい方が居る旨を伝えても取りあっていただけない」ことなどをご依頼者にお伝えしましたが、ご依頼者も暫く待つことを要望しているため、静観するかたちとなりました。何か予期せね事態があるような予感がしました。

仲介業者が媒介をやめて、直接購入を申し出る

5月のご依頼から5ヶ月。突然ご依頼者から連絡が入りました。

「仲介業者A社が実は買いたいと言って来ており、このビルに長く入っている方だし、それなりに信頼関係もあるので、譲ろうと考えている」とのこと。

「不動産会社には絶対に売らない。長く事業を継続してくれる者に売りたい」と仰っていたのに、それでよろしいのですか?とお尋ねしたところ「まさかA社は変なことはしないと思う。信用している」とのことでした。

A社と供に共同購入者がいるとのことで、弊社としては「共同購入者が手放したいと言ったら、A社もそれを口実に転売してしまいますが、宜しいのですか」とご依頼者に確認するも、「長く事業を続けると言ってくれているので、それは大丈夫」とのこと。

その結果、ご依頼者は一度もマーケットに物件価格を問わずに売却価格を決め、弊社が助言と供にご紹介した優良な投資家ともお会いにならず、A社と共同買受け人のXに直接売却してしまいました。

「売主利益の最大化」がモットーの弊社としては、「一般媒介による市場競争原理の導入」を受け容れていただけなかったことに忸怩たる思いがございました。1社独占の専任媒介どころか、仲介業者が自ら値付けした価格で購入してしまう状況に驚きました。売れないので責任を感じて買取るという状況ではありません。また、他に買主が居て「価格交渉にも応じる(高く売る機会はある)」と言っているのに・・・。お知り合いとは言え破格の金額での売却です。奇特な人も居るものであると感じました。

水面下の非公開情報として売却

そして、このケースには後日談があります。

その後、弊社は関与しないまま、本件の引き渡しが完了して1年が過ぎた頃、弊社の提携先から1通の売却物件の案内メールが届きました。

いつもなら他の情報と供に、ざっと目を通すだけなのですが、その日に限っては目が釘付けになってしまいました。本件が売りに出ているのです。しかも売却差額は4億円以上もあります。もちろん非公開の売り情報としてです。

この物件は、ほどなくその価格で売れてしまったそうです。

後から紐解くと、綿密な計画と計算が仕組まれ、単なる転売と受け止められないよう第三者を介在させ、不自然にならないよう1年間売却を寝かせるプランに、ご依頼者は乗せられてしまったようです。それは当初ご依頼者ご本人が語っていた「転売目的の不動産業者には絶対売らない。長期で所有し事業を継続していただける方を」との言葉と正反対の方向に突き進んで行ってしまったことが、それを物語っております。

不可解なほどに低い鑑定評価額、取って付けたようなB銀行の価格意見書、長期に渡る媒介活動の留保・・・。

上記3点のうち、鑑定評価が見当違いであることは、その後の売却価格が物語っております。市場価格のおよそ2/3です。

B銀行も1枚のペーパーを出しただけで、根拠を示す事例はありません。査定額合わせだけが目的で、実はローンはB銀行から?

長期留保期間は、A社がローンの内諾を得るためと共同購入者を探すための期間でしょう。

親しい人ほど、取引はビジネスライクに

写真はイメージであって本稿とは無関係です

「あの会社のあの人は古い付き合いだから・・・よく分かっている」

「絶対に自分の利益に添って味方になってくれる人だ・・・」

「自分の判断に間違いは無い、例えそれが不利益な結果に繋がったとしても・・・」

このような「合理化の心理」には気をつけましょう。知り合いであるほど、第三者の客観的な目線が必要と思われます。業者の多くは理屈ではなく、心情的に近い関係をつくっていきます。「私にだけは特別にお願いしますよ」という状況を少しづつ強固なものに仕立てていきます。「知り合いの不動産業者に頼む」ということが、いかに危険で無謀か、仲介を任せても良いのですが、せめてセカンドオピニオンを活用しましよう。例え仲介手数料を割引してもらったとしても、格安で売られてしまっては元も子もありません。

不動産における「知ってれば損をしなかったのに・・・」を無くすこと、気付いていただくことが弊社の使命です。転売によって仲介手数料の20倍近くも利益が出るなら、不動産業者は手段を選ばないということでしょうか。気をつけましょう。

《参考》

福岡高裁平成24年3月13日 判タ1383号234頁(要旨)

宅建業者が、その顧客と媒介契約によらずに売買契約により不動産取引を行うためには、当該売買契約についての宅建業者とその顧客との合意のみならず、媒介契約によらずに売買契約によるべき合理的根拠を具備する必要があり、これを具備しない場合には、宅建業者は、売買契約による取引ではなく、媒介契約による取引に止めるべき義務があるものと解するのが相当である。

 

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